寒波到来中の土佐町だけど、この1ヶ月すごい頻度で走ってる。
理由は今週末の龍馬マラソンにエントリーしてしまったから。日本に戻って2年半、すっかり車生活で全く運動してないことに危機を感じてのエントリーだけど、なんでも一夜漬けの私はやっぱりギリギリが見えるまでエンジンがかからない。
そんな私の前に現れたのが、高校生の時から「毎日」日記をつけてる奇跡の人。「数ページしか使われてない日記帳コレクション選手権」代表の私にとっては、驚異のコツコツ界プリンセス!
たった1ヶ月前は、5分走ったら息が上がり、2キロ走ったら肉離れしそうだった私たち。それが「コツコツ」力で地道に時間を伸ばし、距離を伸ばし、15キロくらいは話しながら走れるようになった。やれるようになるとすぐ調子に乗って、もっと早く、もっと遠くへと先走りそうになる私を、ちゃんと地道なコツコツルートに軌道修正もしてくれる。
先週より確実に力がついたね
筋力は裏切らないって本当だね
大人になってもこんなにわかりやすく出来るようになることがあるっていいね
走るだけで幸福度もあがったね
って笑い合いながら走ってると、自動操縦でコツコツが出来てた。
私の持ち味は「思い立ったら吉日!」的に動く瞬発力や直感力で、それが思いがけない場所や出会いに導いてくれるのが人生の醍醐味だと思ってきた。実際、多くの人が気になったり心配したりするいろんなチェックポイントをすっ飛ばして、瞬間移動するみたいな性質が自分にはある。
でも、それと同時に「コツコツ」力にもずっと憧れ続けてきた。なんとか自分の中から掘り起こせないものかとやってきたけど、トライ&エラー、ほぼエラー。
それで思ったの。残念だけど1人じゃ出来ない。もう白旗あげよう!1人じゃ出来ないことは共に歩める人と一緒にやろう。
「fast alone, far together」
(早く行きたければ1人で行け、遠くへ行きたければ仲間と行け)
アフリカのことわざと言われてるこの言葉を、今回のランニングで思い出した。1人では立ち止まってしまう道中に仲間がいること。お互いの相乗効果で先へ進んでいけること。新しい景色を見る喜びを分かち合えること。そのすべてが最高だった。
20代でテレビ番組制作というチームワークから抜け出し、1人で動ける写真家に転向した私にとって、自由に動けることが大切だと思ってきた。でも瞬発力だけでは遠くに行けない。私は1人ではコツコツ出来ない代わりに、仲間がいると馬力が出るし愉快になる。それはきっと他の誰かの役に立つ。そんな一人一人が集まって、互いの持ち味を活かし合い、補い合いながら、時にはスイミーみたいに大きな魚になって、一緒に遠くの景色を見に行けたらいいな。人と人が出会って起こる化学反応を大切にしながら、一人では見れない景色を一緒に見に行くこと。その景色のことを「希望」と呼ぶ気がする。